プロフィール/舘野泉(たての いずみ)
1936年東京生まれ。60年東京藝術大学主席卒業。64年よりヘルシンキ在住。68年、メシアンコンクール第2位。同年より、フィンランド国立音楽院シベリウス・アカデミーの教授を務める。81年よりフィンランド政府の終身芸術家給与を得て、90年以降は演奏活動に専念。06年「シベリウス・メダル」授与。演奏会は世界各地で3000回以上、リリースされたCDは100枚にのぼる。人間味溢れ、豊かな叙情性をたたえる演奏は、世界中の幅広い層の聴衆から熱い支持を得ている。この純度の高い透明なる抒情を紡ぎだす孤高の鍵盤詩人は、02年脳溢血(脳出血)により右半身不随になるが、04年「左手のピアニスト」として復帰。その左手のために、間宮芳生、ノルドグレン、林光、末吉保雄、吉松隆、谷川賢作等第一線で活躍する作曲家より作品が献呈される。命の水脈をたどるように取り組んだ作品は、静かに燃える愛情に裏打ちされ、聴く人の心に忘れがたい刻印を残す。06年、全委嘱作品によるリサイタルツアーを行う。左手の作品の充実を図るため「舘野泉左手の文庫(募金)」を設立。07年、吉松隆ピアノ協奏曲「ケフェウス・ノート」(舘野泉に捧ぐ)をドレスデン歌劇場管弦楽団と初演し、大きな反響を巻き起こす。08年、末吉保雄、cobaの新作を含む全委嘱作品(「左手の文庫」助成)によるリサイタルを各地にて行う。同年秋、長年の音楽活動の顕著な功績に対し旭日小綬章受章、および文化庁長官表彰受賞。
エッセイ集に「ひまわりの海」(求龍堂刊)、「左手のコンチェルト」(佼成出版社刊)、左手によるCDは、エイベックス・クラシックスより「風のしるし」など5枚リリース。南相馬市市民文化会館(福岡県)館長、日本シベリウス協会会長、日本セヴラック協会顧問。
舘野泉公式HP http://www.izumi-tateno.com/